「日本橋」コレクションでタイムトラベルを楽しむ。

 

東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景 : 中山道広重広重美術館

 

「日本橋」というと、真っ先に思いつくのが、こちらの作品ですよね。東海道五十三次の起点であり、今でも「東京から全国に向けた出発点」というイメージを抱く方も多いことでしょう。この作品が描かれたのは、天保4年(1833年)頃とされているようです。

というわけで、今回は、この作品が世に出た180年ほど前を起点に、ミュージアムのコレクションでタイムトラベルを楽しんでみましょう。

 

■ 木曽街道六十九次之内 日本橋 足利頼兼・鳴神勝之助・浮世渡平|歌川国芳 :中山道広重美術館
https://jmapps.ne.jp/hiroshige/det.html?data_id=265

天保4年(1833年)頃の作品です。歌舞伎・浄瑠璃には「伊達騒動物」というジャンルがあるそうで、この作品は、吉原通いなどを問われた仙台藩の藩主・伊達綱宗が隠居に追い込まれてしまう…というお家騒動ストーリーを描いたものとのこと。襲われた綱宗を力士が救うシーンなのだそうです。今見ても面白そうですので、江戸の庶民はワクワクしながら見ていたのでしょうね。

 

■ 東京日本橋馬車通行図 |歌川芳虎:足立区立郷土博物館
https://jmapps.ne.jp/adachitokyo/det.html?data_id=560

時間は少し進んで、明治2年(1869年)頃の日本橋です。馬車と洋装の人たちが描かれていて、「文明開化」の時代が偲ばれますね。先ほどの「日本橋朝之景」から36年ほどしか経っていないのに、人々の姿が一変している点にご注目ください。今なら1980年代の初頭との比較になるわけですが、いくら「時代は変わった」とは言っても、江戸後期から明治の激変にはかなわないかもしれませんね。

 

■ 「東京名所百景」より「日本橋夜景」|井上安治 :兵庫県立美術館
https://jmapps.ne.jp/hpma/det.html?data_id=5275

明治14~15年(1881~1882年)頃のようです。落ち着いた夜の雰囲気ですが、よく見ると橋や建物が近代的になってきましたね。

 

■ 錦絵 鉄道馬車往復日本橋之真図 三代広重:さいたま市の博物館
https://jmapps.ne.jp/sitmhk/det.html?data_id=23577

同じ頃、東京馬車鉄道が、新橋から日本橋まで開通。もうすっかり「活気にあふれる都会」という感じです。

 

■「五十三駅」日本橋|近藤浩一路 :山梨県立美術館
https://jmapps.ne.jp/yamanashimuse/det.html?data_id=693

こちらは、明治42年(1909年)。技法の影響もあるのだと思いますが、ヨーロッパの港町のような風情が漂っています。今から100年以上前ですが、すでに成熟しつつある街という印象も受けますよね。

 

■ 絵はがき・焦土と化したる神田日本橋方面:新潟県立歴史博物館
https://jmapps.ne.jp/ngrhk/det.html?data_id=2324

それから14年後、大正12年(1923年)。関東大震災により、東京は一面が焼け野原となります。ここまでの順調な発展ぶりを見た後だけに、いっそう心が痛みます…。

 

■ 絵はがき・日本橋 :福生市郷土資料室
https://jmapps.ne.jp/fussa/det.html?data_id=18152

関東大震災からわずか7年後、昭和5年(1930年)の日本橋です。短期間でここまで見事に復興したというのですから、驚いてしまいますね。大震災から10年も経っていないなんて、ちょっと信じられないほどの繁栄ぶりです…。

 

いかがでしたか? いかにも江戸時代らしい情景から、文明開化、関東大震災を経て力強い復興へ。日本橋の変化を楽しんでいただけたのではないかと思います。

このように、博物館のコレクションをひとつのテーマでピックアップして時代順に並べると、「自分だけのタイムトラベル」を楽しめてしまうのです。そのテーマが気に入ったら、実際のミュージアムを訪ねて歩けば、きっと新たな発見がありますよ。

 

「日本橋」で検索した結果はこちら