- 提供機関 : 松本市図書館
- 仕様システム : カーリル
- 狙いと特徴 : 図書館、博物館、美術館など、市内の文化資源情報を横断検索する
文化施設の多い松本市ならではのMLA連携事例。
図書館、博物館、美術館などを素早く一括検索。
博物館より先行する図書館の横断検索。
都道府県立の図書館では、すでに蔵書情報を横断的に検索できる環境が一般的なサービスとして提供されています。長野県の松本市の場合も、県立図書館の横断検索サービスで「中信エリア」を検索すれば、周辺施設も含めて情報を探すことはできました。しかし、同市では、より独自色の強いサービスの可能性を模索。その結果として生まれたのが、「まつサーチ」です。
MLA連携の新しい取り組みとして。
企画の背景には、美術館1館、博物館14館を擁する文化施設の充実がありました。さらに、市では独自の文化財データベースも公開しており、図書館の蔵書情報と合わせればより大きなデータ連携が可能になります。こうした情報を統合する「まつサーチ」は、近年、大きな潮流となっているMLA(ミュージアム・ライブラリ・アーカイブ)を内包する環境を実現しました。
充実した文化資源情報を瞬時に見つけられる、
とにかく速い検索で、レファレンスの強力な助っ人に。
構築は早く、検索は速いサービス。
前述の通り、すでに基盤が存在した「まつサーチ」は、サービスの構築には実質的に1か月ほどしかかからなかったそうです。構築業者との打ち合わせもスカイプを通じて行った1回のみで、あとは横断検索対象サイトのURLを知らせただけ。文字通り、瞬く間に完成しました。
にも関わらず、実際に検索してみると驚くほどの高速性を発揮します。一方、検索結果が出揃うまでに「いま何件を検索しているか」「あとどれくらいかかるか」という情報が表示されるので、対象件数が多い検索でもストレス知らず。松本市の文化資源情報の水先案内役を担うサイトとして、とにかく快適な横断検索サービスに仕上がっています。
レファレンス対応に八面六臂の大活躍。
現場の司書の立場から「まつサーチ」を見ると、利用者からの問い合わせに迅速に回答する上での強力なサポートツールとなっているとのこと。たとえば、比較的多いのが特定のエリアの地図に関する問い合わせですが、それが古地図の場合は地域の博物館が所蔵していることが少なくありません。「まつサーチ」で検索すれば、どの館が所蔵しているものかがわからない場合でも即座に見つけて回答ができるわけです。
司書によるレファレンスと「まつサーチ」の横断検索機能で、利用者はお目当ての資料に到達しやすくなります。これは、デジタルアーカイブを利用者にきちんと届ける仕組みそのもの。他の自治体への普及が待たれるところです。