カウントダウンが近づく「五輪」を、博物館で予習!?

新元号も決まって、天皇陛下のご退位と皇太子様のご即位に伴う一連の儀式、そして「令和元年」へと向かう春。祝福ムードに包まれるGWを過ぎると、いよいよ「五輪まであと1年」が近づきます。最近はあちこちで「あと何日」というカウントダウンの声が聴こえて、特別な時期であることの実感が少しずつ強まりますね。

前回の五輪は、日本は高度成長期の真っただ中。国全体に前へと進む力がみなぎっていた時代でした。当時の国民の盛り上がりは、どれほどのものだったのでしょうか。というわけで、今回は「昭和39年(1964年)の東京五輪」をテーマに、ミュージアムのコレクションをWEBで見学。軽く予習してみましょう。

 

まずは、こちらの写真から。東京都足立区役所前で撮影されたもので、聖火ランナーが快走中の様子です。沿道の人だかりをご覧ください。ほぼすべての人が日の丸を打ち振り、また電柱によじ登っている人もいますね。歓声、熱気が伝わってくるような一枚です。

区役所前にさしかかる聖火リレー|足立区立郷土博物館

聖火リレーは全国を回りますので、たくさんのミュージアムに当時の写真が残されています。東京都福生市の写真からは、あいにくの雨を吹き飛ばしそうな沿道の活気が伝わってきます。

●写真・東京オリンピック聖火ランナーの福生通過|福生市郷土資料室
https://jmapps.ne.jp/fussa/det.html?data_id=18419

 

多数の聖火ランナーが同時に走っている? こちらは、北広島市内で撮影されたもの。市内の中学生や高校生が伴走したのだそうです。なるほど。

●オリンピック、国体|北広島市エコミュージアムセンター知新の駅
https://jmapps.ne.jp/kitahiroshima/det.html?data_id=8918

 

熊本県長洲町の長洲港から、高校サッカーで有名な長崎県国見高校のそばにある多比良港まで。聖火リレーは船でもつながれたようです。

●東京オリンピック聖火リレー 長州港から多比良港へ向かう|熊本県博物館ネットワークセンター
https://jmapps.ne.jp/kmnc/det.html?data_id=343328

 

ランナーからランナーへと渡った聖火のトーチは、岐阜県博物館のコレクションにありました。バタフライスツールなどで有名な柳宗理のデザインとのこと。

●東京オリンピック 東京大会聖火リレートーチ|岐阜県博物館
https://jmapps.ne.jp/gifuhaku/det.html?data_id=487

 

トーチが岐阜にあったかと思うと、役員のユニフォームは千葉県野田市に。昔の映像などでよく見かける、あの青いブレザーです。

●東京オリンピック競技役員 公式ユニフォーム|野田市郷土博物館・市民会館
https://jmapps.ne.jp/ndskdhk/det.html?data_id=8079

 

オリンピックに向けて、寄付金付きの郵便切手が発売されていました。当時に使った方だけでなく、子どもの頃に切手を集めた方も懐かしいとお感じなのでは。こちらは、四国・香川から。

●第1次オリンピック東京大会募金(やり投げ、飛び込み、レスリング)|香川県立ミュージアム
https://jmapps.ne.jp/kpm/det.html?data_id=79560

 

埼玉県戸田市からは、記念の小旗。昭和39年東京オリンピック開催時にタクシーに装着された小旗です。
昭和30年代は自動車の交通量が激増したことやそれに対して道路などの交通インフラの整備が追い付いていなかったことがあり、交通事故が多発し、「交通戦争」とまで言われるようになっていました。多くの外国人が訪れるオリンピックは、交通事故防止も重要な課題でした。

●東京オリンピック記念小旗|戸田市立郷土博物館
https://jmapps.ne.jp/tdskyodo/det.html?data_id=1926

 

このように、関連コレクションが全国のミュージアムにあることから、開催地の東京都内だけでなく、全国的なムーブメントだったことがうかがえます。実際に競技が始まると、そのボルテージはさらに高まったのでしょう。こちらは、体操の遠藤幸雄選手が金メダルを獲得した時の号外です。素晴らしい写真ですね!

●毎日新聞オリンピック電送号外|日本新聞博物館
https://jmapps.ne.jp/newspark/det.html?data_id=9214

 

余韻を味わい、思い出を保存する記念グッズの楽しみは、昔も今も同じですね。競技中の選手の絵はがきは、何ともドキドキするようなカットが使われています。見返すたびに興奮がよみがえったことでしょう。

●‘64オリンピック東京大会記念速報3(絵はがきセット)|浦安市郷土博物館
https://jmapps.ne.jp/urayasufkm/det.html?data_id=51572

 

岡本太郎氏、そしてグラフィックデザイナーの田中一光氏のデザインによる、参加記念のメダル。まさに永遠の記念品といったところですね。

●オリンピック東京大会 参加記念メダル|アーカイブ中核拠点形成モデル事業 プロダクトデザインデータベースβ版
https://jmapps.ne.jp/musabi_art_lib/det.html?data_id=1629

 

いかがでしたでしょうか。今回は、前回の五輪を駆け足で振り返りました。半世紀以上前の盛り上がりの証は、各地のミュージアムにしっかりと保存されていました。当時の空気感を思い描けそうなコレクションを眺めていると、先人が「君たちも頑張れよ」と背中を叩いてくれているような気がしませんか? ミュージアムは歴史や文化だけでなく、人々の熱気も保存・継承してくれるものなのですね。

昭和39年から、令和2年へ。我々も盛り上がりましょう!

 

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