- 提供機関 : 上島町教育委員会
- 使用システム : I.B.MUSEUM SaaS / アプリ「にっぽん風景なび」「ポケット学芸員」
- 狙いと特徴 : 住民から観光客まで、誰もが楽しめるデジタルアーカイブ
民俗資料、風景写真、映像、スケッチに加えて、
風光明媚な地域性を活かした写真や空撮動画まで。
上島町について
愛媛県の北東部、広島県との県境に位置する上島町。瀬戸内海国立公園区域内にあり、穏やかな海と多島美が町の大きな魅力です。中世には東寺や石清水八幡宮の荘園となり、東寺百合文書に記録が残っています。江戸時代は商業や廻船業で賑わい、現在は農業や漁業が中心。また、隠れた「サイクリングの聖地」でもあります。
デジタルアーカイブのコンセプト
この事業は、「ひとりでも多くの人に届くアーカイブ」という願いをもとにした民俗資料カードのデジタル化から始まりました。のちに地域の古写真・映像や風景写真、町のスケッチコンテストの応募作品などにも対象を広げ、研究者以外の一般の方々にも興味を持ってご覧いただける親しみやすい内容へと進化しています。
ひとりでも多くの人に地域情報を届けるために、
さまざまな場面でアーカイブに接する仕掛けを満載。
デジタルアーカイブの特徴
検索トップ>一覧>詳細 というデジタルアーカイブの一般的な画面遷移だけでは、専門知識を持たない層から見ると「とっつきにくいページ」になりかねません。そこで、「ジャンルから」「地図から」というワンクリックで検索できる「入り口ページ」を設けました。さらにトップには島々の美しい風景をドローンで撮影した動画を配信。じっくり見たいと思わせるインパクトのあるページとなりました。
関心を持った方には、より深い町の歴史・文化情報にそのままアクセスできる読み物ページ「上島Stories」を用意。オープンから現在まで25話が配信されており、充実したコンテンツへと育ちつつあります。初見の方も再アクセスの方も飽きることなく、楽しみながらアーカイブに触れていただける特設サイトとなりました。
プラスアルファの仕掛け
最近では「サイクリングの聖地」としても人気が高まる上島町。観光の動線の中で自然にアーカイブに触れてもらえるように、地図で情報を配信するスマホ用アプリ「にっぽん風景なび」と連携。また、町内の博物館施設である岩城郷土館では、展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」で展示解説にアーカイブを利用しています。なお、スマートフォンを使わない高齢者にもデジタルアーカイブの存在を知ってもらうため、本冊子&簡易リーフの2種のパンフレットを用意。町内の全世帯に配布するとともに、フェリー乗り場での手配りも実施しました。
デジタルアーカイブは、人々が利用してこそ効果を発揮します。当事業はこの点を強く意識し、老若男女、住民から観光客まで、幅広い利用者にしっかり届く仕掛けがセットとなっています。