那覇市歴史博物館 デジタルミュージアム

http://www.rekishi-archive.city.naha.okinawa.jp/digital-museum

  • 提供機関 : 那覇市歴史博物館
  • 使用システム : 独自構築システム
  • 狙いと特徴 : 博物館の所蔵資料情報を検索しやすいインターフェイスで提供

 

研究者は調べやすく、利用者は問い合わせしやすく。
使う人のことを考えて設計されたデータベース。

ホームページリニューアルで構築

独特の歴史を持つ沖縄県。現地の貴重な資料群は研究者のニーズが高く、以前から電話での問い合わせが非常に多かったそうです。インターネット上での資料データベースの公開は念願だったわけですが、2014年にチャンスが。ホームページのリニューアルを契機に、所蔵資料データをデジタルミュージアムとしてホームページ上で公開することになったのです。

よく考えられた検索動線

トップページには、検索キーワード入力ボックスとは別に、ジャンルを示す大きなボタンが「入り口」として用意されています。クリックするとその分野の資料が一覧表示され、左には絞り込みボタンを配置。項目はジャンルごとに変化するので、横断的に調べたい時はキーワードで、細かく見たい時はそのジャンル固有の項目で絞り込んでいくことができます。

 

展覧会への活用で、情報発信力がグッと強く!
閲覧申請は10倍、特に家譜の問い合わせが急増!

検索以外でもうまく活用

ホームページの展覧会ページには、主な展示資料が載せられています。クリックすると、デジタルミュージアム内にあるその資料の詳細ページへと遷移します。
また、実際の展覧会でも、展示物にQRコードを掲出。読み込むと、デジタルミュージアムの詳細ページが表示されます。このように、デジタルミュージアムで公開している情報が、展覧会の解説ツールとして活用されているのです。
しかも、デジタルミュージアムは多言語対応。パネルを用意したり、展覧会の都度翻訳したりすることなく、外国人の来館者に所蔵資料の詳しい情報を案内することができる仕組みを実現しています。

本当に利用されるデータベースに

デジタルミュージアムを公開する前の写真などの貸出申請は、月に30件前後。公開後にはこれがなんと10倍、300件ほどに増加しました。
中でも特徴的なのが「家譜資料」というジャンルです。「清明祭(シーミー)」と呼ばれる沖縄のお墓参りは、親戚一同が集まる大切な年中行事。デジタルミュージアムの公開以降は、この時期になると家譜についての問い合わせが急増するようになったそうです。
これらの成果は、デジタルミュージアムが住民の皆さんに浸透し、活用されている証拠と言えるでしょう。想定以上の成果となったわけですが、今後はさらに受け入れ態勢を整備し、より一層の住民への価値の還元を目指すとのことです。

 

まとめ

利用者のことを考えたインターフェイスを丁寧に作ると、
思いが伝わり「本当に利用されるデータベース」になる。