「釣り」がテーマのコレクションに共通する、とある特徴とは。

いつの時代も人気のフィッシング。著名人の中にも趣味と公言している人は少なくないですよね。釣り糸を垂れてアタリを待っている間は心が「無」になり、慌ただしい日常を忘れることができる…。魅力を力説している人の話を聞くたびに「なるほど、自分もやってみたいなあ」と思います。起床から睡眠まで絶え間なく情報の洪水に晒される時代ですから、海や川で過ごす時間はさらにクローズアップされるかもしれませんね。

とは言え、何かとドタバタしている毎日。社会に出てからは都会の釣り堀くらいしか経験のない私が、道具を揃えて新たに釣り人デビューにまで漕ぎ着けるには、少しハードルが高いようにも感じます。そこで、MAPPS Gatewayで「釣り」のコレクションを見て、まずは気分だけでも味わってみることにしました。

 

検索してみると、いろいろ出てきますね。まず目が行ったのは、「釣り」を描いた絵画でした。

■釣り人 南城 一夫|アーツ前橋
https://jmapps.ne.jp/artsmaebashi/det.html?data_id=87

氷に穴をあけて糸を垂らしたら、あとゆっくり待つばかり…といったところでしょうか。糸に群がる魚も描かれています。きっと、この時間が止まったような静寂感も魅力なのでしょうね。

 

■魚釣りをする子どもたち ディアズ・ド・ラ・ペーニャ、ナルシス=ヴィルジール|山梨県立美術館
https://jmapps.ne.jp/yamanashimuse/det.html?data_id=1916

こちらは西洋画。子どもたちが揃って釣り糸の先を見つめる、1857年の作品です。子どもたちの眼やしぐさから期待感がうかがえますが、この何とも言えないワクワクする気持ちは、昔も今も、西も東も同じですね。

 

■魚釣り図 登内 微笑|岩国徴古館
https://jmapps.ne.jp/iwakunichokokan/det.html?data_id=632

こちらは、何とも味がありますね! 絵全体から伝わってくる空気感に加え、描かれている釣り人の表情も印象的です。穏やかでユーモラスな雰囲気がたまりませんね。

 

次に、カメラがとらえた釣り人たちを見てみましょう。

■アオギス脚立釣り|浦安市郷土博物館
https://jmapps.ne.jp/urayasufkm/det.html?data_id=13976

アオギス脚立釣りとは、浅い海に脚立を立てて行う、東京湾・江戸前の代表的な釣り方法だそうです。これはまた、無心で没頭できそうなスタイルですね。私たちが思い描く釣りの魅力そのものといったところでしょうか。
なお、こちらの博物館には、実際に使われた脚立実物があるそうですが、ここのほかにはもう数台しか確認されていないとか。昭和40年まで使われていたものが、もうそんなに貴重になっているんですね。
■脚立(アオギス釣り用)|浦安市郷土博物館
https://jmapps.ne.jp/urayasufkm/det.html?data_id=2174

 

■多摩川で釣りをする|高津区ふるさとアーカイブ
https://jmapps.ne.jp/takatsu/det.html?data_id=1986

昭和20年代の多摩川とのことですが、大胆な構図が強く印象に残ります。砂利採掘でできた穴で釣りをしている風景、写っている子どもたちは兄弟でしょうか。終戦から高度成長期へと向かう頃の川崎を映した、何とものどかな雰囲気の1枚です。

 

■古見かに釣り(カニの手網釣り)|知多デジタルミュージアム
https://jmapps.ne.jp/chitaaichi2/det.html?data_id=18767

こちらも貴重な1枚ですね。釣っているのは女の子のようですし、幼い子も同乗しているところから見て、穏やかな波の上での舟釣りシーンでしょうか。釣っているのはカニとのことですが、後ろの女性の満面の笑みが楽しいレジャーの時間をうかがわせます。

 

■放水路(現荒川)での釣り|足立区立郷土博物館
https://jmapps.ne.jp/adachitokyo/det.html?data_id=12356

大勢の人が並んで釣り糸を垂れ、その向こうに橋が見えます。こうして終戦から10年も経たない時期の釣り写真を並べると、これの平穏な風景がいかに貴重なものであったかを考えさせられます…。

 

最後に、釣りによる「穏やか効果」を極めるとこうなる…というコレクションをご覧ください。

■釣り老人 吉村深雪人形コレクション|那須野が原博物館
https://jmapps.ne.jp/nasunogahara/det.html?data_id=22438

中国の老人と思われますが、何とも言えない笑顔。ここまで見てきた釣り人たちも、何十年かすると、こんな穏やかなお顔になるのでしょうか。まるで赤ちゃんのようにも見えますよね。

 

絵画に描かれているのも、写真に写っているのも、大半は争いごとや忙しさとは縁遠い表情や風景ばかり。MAPPS Gatewayで「釣りコレクション」をパラパラめくっていると、そんな共通の特徴に気付きます。釣りには、やはり人を穏やかにする力があるのかもしれませんね。

よし、ちょっとトライしてみようかな! というわけで、その場で釣り道具の検索を始める私でした。

 

キーワード「釣り」で検索した結果はこちら