システムの機能をフルに活用し、
見やすさを高めたデジタルミュージアム
提供機関 | 白河市歴史民俗資料館・小峰城歴史館
URL | https://jmapps.ne.jp/shirakawa/
構築方式 | I.B.MUSEUM SaaS 機能
システムに搭載された機能をアレンジしたバナー
I.B.MUSEUM SaaSには、検索ページの「説明欄」を作成、表示する「トップページオプション」という機能があります。この機能は、データベース利用の注意事項や画像利用に使うことを想定したもので、ブログ記事のように自由に記述することができます。同館では、この機能を使ってバナーを掲載されました。このデータベースの「見どころ」が、資料の内容を象徴する画像とともに表示されています。
「重要文化財 白河結城家文書」のバナーをクリックすると、白河結城家文書で検索した結果の一覧がダイレクトに開きます。ワンクリックでこのページに飛ぶのがどれだけ素晴らしいことなのかは、バナーを使わない場合の白河結城家文書への「たどり着き方」と比べると一目瞭然です。
こちらがその画面で、検索トップの分類から「古文書」を開き、その下の「武家文書」を選んでようやく「白河結城家文書」が表示されます。このデータベースに、白河結城家文書という重要文化財があることを知っていて、それが古文書>武家文書の下の階層に配置されていることがあらかじめわかっているか、あたりを付けて自力で開くだけの知識や経験を持つ人でなければ、ここにたどり着くのは難しいのではないでしょうか。それに比べて、トップページにバナーがあると、ワンクリックで開くことはもちろん、貴重な文化財の存在を知らない人が画像を見て思わずクリックする、ということも期待できます。
さらに特筆すべきは、このようなわかりやすい閲覧動線を、I.B.MUSEUM SaaSに初期搭載されている機能だけを使い、つまりこのための追加費用をかけずに実現されている点。現在、バナーは6つ。重要文化財から昔の街並みの写真まで、この時点でもバラエティに富んだ内容ですが、今後データベースのさらなる充実とともにバナーを作って紹介したい資料が増えた場合でも、もちろんお金をかけずにバナーを追加していくことができます。この点は意外と重要で、最初にお金をかけたら、追加にもまたお金がかかるのが一般的ですが、この方法ならお金をかけずにどんどん追加していくことができます。
また、画像のダウンロードボタンが表示されています。I.B.MUSEUM SaaSでは、画像ごとにダウンロードボタンのON/OFFを切り替えることができます。コンテンツの流通促進のため、オープンデータ政策の推進のために画像の利用を許可する施設は増えてきましたが、I.B.MUSEUM SaaS導入館全体から見るとまだ少数派。しかし、文化庁も著作権をクリアできている画像は積極的な流通促進を推奨しており、こちらのようにたくさんの画像を利用可能にしているのは先進的なモデルと言えるでしょう。こちらでは、「作者一覧から探す」という検索も提供しています。作者の詳しい解説と、その作者が制作した作品が並びますが、美術館でもここまでの細やかな情報整備は簡単ではない中、古文書や民俗資料等、多岐にわたる資料を所蔵する博物館で、このような詳細な作者情報を公開している事例は少なく、模範的なデータベースと言えるのではないでしょうか。